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ノンジャンル

妬みの歯車 #3

   

絡み合う感情の糸が縺れあう要因のひとりである小宮山ルリと出会うのは聖女学園に入ってから

そうとはその時思ってもいない久留美は彼女が読んでいた本を見て声をかける

次第に心を通わせて月日は流れていく

3人目との出会いの足音を遠くから聞きながら

 

 
「ねえ、あなたも好きなの……その本」

 合格発表から入学式まではとても慌ただしく、実際入学してからも寮生活をしながらの高校生活はなかなか慣れず、友達を作るまでゆとりが出来たのは少し経ってからだった。

 久留美は隣の席に座っていた小宮山(こみやま)ルリが休憩時間になるといつも本を読んでいたのを知っていた。

 クラスの9割がいわゆるお嬢様で近寄りがたく、同じレベルの子と話したく思っていた久留美は自分から声をかけてみた。

 クラス内の自己紹介で誰が金持ちの子で、誰が庶民の子なのかだいたいわかってしまっていたから。

 声をかけられた小宮山ルリはゆっくりと本の活字から視線を久留美へと移し、小さな声で言う。

「あなたも……? って、知っているの、この本」

「ええ、知っているわ。帆波さんの『桜の下で』よね?」

 久留美の言葉に表情を明るくするルリは、本の表紙を見せにっこりと笑う。

 これが久留美とルリの出会い。

 そしてもうひとりの女生徒と後々出会う事になるのだけれど、それはもう少し後のこと。

 

-ノンジャンル


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