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ノンジャンル

妬みの歯車 #7

   

全てが明らかになる最終話

 

 
 とあるホテルの広間の一室には、様々な人が集まっている。

 広間の奥にはステージがセットされていて、本の出版記念パーティーらしい幕が掲げられている。

 その空間、ひと際人の集中している中にシックなドレスを身にまとった女性がひとり。

「ご招待ありがとう、リエ」

 長い黒髪をひとつに結び、派手派手しくもなくかといって地味というわけでもない、好感の持てる黒いデザインスーツを着た女性が中心にいた女性をリエと呼び声をかけた。

「もしかして、留美ちゃん?」

「もう『ちゃん』付で呼ばれて喜ぶ歳でもないけれど。リエは相変わらずみたいね。華々しく活動しているようでなによりだわ」

「そういう留美ちゃんだって、まさか学校の先生になるなんて」

「まったくだわ。でも、平凡な私が先生をやった方がいいのよ。平凡だからこそ平凡な子の気持ちがよくわかるから」

 再会の言葉を交わすふたりの間にひとりの男性が一礼してリエに近づく。

「お話し中すみません。小山先生、そろそろご挨拶の方を……」

「ああ、そうね。じゃあ、ちょっとだけ待っていて、留美ちゃん。話したいこと、いっぱいあるのよ」

 留美に背を向けステージに向かって歩くリエの後ろ姿は、15年前留美の後ろを付いて歩いていた控えめさはない。

 堂々としていて成功した女性のひとりという威厳みたいなものを感じる。

 

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