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ラブストーリー

地図にないキスをしよう Ⅲ

   

灰色の空を見るとエイミは連太郎を失った日の事を思い出す

楽しい思い出もあるのに、亡くした日の事しか思い出さないというエイミ

連太郎の死とは……

 

Ⅲ歪む空

 ひとつの足音が消えると、違う足音がふたつ近づいてくる。
 近づいて来た足音は私の前で止まり、頭上から声をかけられた。

「水城連太郎さんのお身内の方ですか? ××警察署の者です」

「けい……さつ……? どうして、警察が?」

 ゆっくりと視線をあげると、30代くらいの男性がふたり立っていた。

「大丈夫ですか?」

 最初に声をかけてきた時とは違う声が気遣い手を差し伸べてくれる。
 その手に私は引き上げられ、近くにあったソファーに座った。

「すみません、大丈夫です。それで、警察の方がなぜ?」

 病院の人から貰った電話で衝突事故があったと言っていたような……確かに連太郎さんは車を運転するけれど、仕事の時は電車通勤で車で移動したりはしない。
 もしかして、私との買い物の為に車を?
 だとしたら、私は自分の存在が許せない――

「最初に言っておきますが、目撃証言から推測しますと、水城さんに非はなかったと思われます」

「あの、どういうことでしょう?」

 私を気遣ってくれた刑事は同伴の刑事より少し下の関係らしく、主に話していたのは最初に声をかけてくれた刑事さん。
 口調は淡々として感情がまったく感じられない。
 仕事上仕方のないことなのかもしれないけれど、私には事務的な状況報告にしか聞こえず、耳を塞ぎたくなる。

 

-ラブストーリー

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