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ラブストーリー

地図にないキスをしよう Ⅴ

   

墜落事故から救出されるまでの間、エイミを励ましてくれたジュンと名乗った彼を探す為、探偵事務所を訪ねる

そこで恐らく彼ではないか……というひとりの学生を教えられ、エイミはひとり彼を探しはじめた

 

Ⅴ彷徨う空

「もしかしたらその男性、韓国国籍の人かもしれないね」

 その年の夏、わずかばかりの夏のボーナスから幾らか引出し、私は生まれてはじめて探偵事務所というところを訪ねた。
 目的は人探し。
 去年のクリスマス前、日本発香港行きの飛行機が墜落をした。
 ほぼ死亡という惨事の中、奇跡的に助かった数人の中のひとりが私で、その時励ましてくれた二十歳くらいの男性、ジュンと名乗った人を探している。
 あれから何度か航空会社を訪ねたけれど、教えられないの一点張りで埒があかない。
 私は思い切って探偵事務所の門を叩いた。
 担当してくれたのは一見頼りなさそうに見える50半ばくらいの男性。
 その人の説明によれば、その事件について別件で依頼を受けたという。
 守秘義務で内容は言えないけれど、得た情報は確かだと言う。

「なぜ韓国人だと?」

「乗客名簿の写しをある方面から手にいれ、それを見る限りあなたの探している人はその人ではないかと。ま、推測ですけどね」

 私は女生ということもあり、マスコミの的には運よくならなかった。
 もしかしたらならないように手を回してくれていたのかもしれない。
 春頃のワイドショーで奇跡的に助かった人の体験談みたいなものがあり、それに匿名・顔映しなし・変声ででていた人がいた。
 条件付きでマスコミに証言する人がいてもおかしくはない。

 

-ラブストーリー

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