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ノンジャンル

絵馬に託した想い

   

親同士の再婚で出来た姉が二度目の離婚をして実家に戻って来た

まだ高校生の陽平に出来た甥っ子は五歳、その甥っ子に好かれてから十五年の月日を得て改めて感じる無償の愛

相手の事を想い距離を置くことを決めたのに…

※祈りという企画テーマに挑戦してみました
 明るく温かくなるような…ということで、そうなるような結末にはしてみましたが、テーマにあっているかとても不安です

 

 鳥居をくぐると果てしない先まで人の波が続くのは、この街に唯一ひとつしかない神社だからだろう。
 当然のように新年と夏祭りには街の住人の殆どが出向く。
 その年は、去年ニ度目の離婚をした姉とその子供と俺と4人で初詣に行った。
「ちゃんとお願いした、陽平」
 数か月後に大学受験を控えていた俺を心配して姉が聞く。
「したよ。でもここ、恋愛と安産祈願で有名だけどな」
 そういう姉ちゃんは?
 ――と、聞くと……

「冗談でしょ。もう恋愛はこりごり」

 気怠そうに姉は言う。
 それもそうだろう……俺と姉はひとまわり歳が違う。
 俺はあまり記憶に残ってないけど、姉は親同士が再婚した時の事をよく覚えているという。
 俺は五歳、姉は十七歳、苦労して入った高校を転校させるのは申し訳ないと、俺の親父が姉と母親のいるこの街に越してきた。
 姉は短大をでるとそのまま一度目の結婚をして家をでている……が、勢いでした結婚は長続きせずニ年で破局、生まれて間もない長男を連れて出戻り。
 ニ度目の結婚はそれから2年後、だけど去年離婚。
 今は九歳の長男と五歳の次男を連れ、両親が残してくれた実家に戻ってきている。
 残してくれたと言っても他界したわけじゃない、海外赴任になってしまった親父のところに義母が行っただけのこと。
 姉と暮らしたのは最初の三年と出戻りした時のニ年と今だけだけど、恋多き女というイメージはない、どちらかと言えば恋には無縁って感じ。
 さばさばした性格でひとりでも逞しく生きていけるわ……って感じ。
 だから頼りない男を放っておけないんじゃないかというのが、義母の見解。
 ――で、逞しく支えてしまうものだから、女の部分が欠落してしまい、女を求めて浮気をされ、ジ・エンド。
 そりゃ、こりごりって言いたくもなるよな、なんて思いながら姉の後ろ姿を目で追っていると、あれやこれやと恋愛成就の代物を買いあさってる。
 まだ三十、三度目の結婚もありだな……と勝手に思っていると、キュッと手を握られドキッとした。

 

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