幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

SF・ファンタジー・ホラー

礼拝の宴 【5】

   

佐々木先生の後を追いかけた三人は旧校舎から地下にある部屋へと辿りつく
そこで見失った佐々木を探すことに
しかし見つけるのではなく、見つかってしまい…

 

 
 佐々木は教室が並ぶ方とは逆の方に向かって歩いている。

 ならば正面入り口から入った方が近いのではないだろうかと思ったけれど、それを今ここで論じても答えが出るわけじゃない、私はその疑問を飲みこみ佐々木がどの室内に入るのかを息殺して見守った。

 入った場所が職員室だとわかってから私たちはもう一度窓ガラスの縁をよじ登り校舎の中に、できるだけ足音を消しながら佐々木が入って行った職員室へと向かった。

 既に一度職員室の中を見ている私は、その時の記憶を思い返す。

 放置されていた年数分ホコリが被っている場所もあれば、比較的ホコリが被っていない場所もあるという、少し不思議な空間だった。

 それと、日本語以外で書かれてあった比較的新しい雑誌の存在。

 佐々木がこうして旧校舎内を歩いていることから、つい最近も普通にこの場所へ来ている人がいるということになる。

 そっと職員室の中を覗くと、そこに佐々木の姿はない。

「どこ行ったんだろう、佐々木」

 私が呟くとあずさがこっちと手招きをする。

「そこは何もないただの棚よ、許斐さん」

「委員長、見て欲しいのは棚じゃなくて、こっち」

 そう言って指した場所は下半分の部分にある戸口、そこを開けると薄暗い通路みたいなものが続いている。

 屈んで入るとすぐ頭上高く開けていて、普通に立って突き進むことができた。

 なぜあずさがこの事に気づいたのか、その時は何も思わなかったけれど、この時気づいていたらまだ引き返すチャンスだったのかもしれない。

 続く通路に沿って歩くと、どうも下っているような感覚があった。

 長い通路を抜けると、木造建てだったはずがコンクリートの壁に覆われた空間の中にいる。

 私たちが通って来た通路とは別に他にも4か所別のところへ続く通路がある。

 どの通路を選ぶか悩むところだけど、私は迷わず正面よりにある通路に向かって歩いていた。

 何か言いかけた井上さんも、あずさも結局は私の後を付いてきてくれて、通路奥の扉の中に3人揃って入り込む。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


コメントを残す

おすすめ作品