「 古葉レイ 」の小説一覧

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迷い人に孫の手を3<6>

「今回は我が課の企画についてご相談がありまして」
「社員教育をベースにした教育支援プロジェクト、で合っていますか?」
自分のペースで語ろうとして、途端に出鼻をくじかれた。今日二度目のそれに、これもあいつの差し金かと思った。

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迷い人に孫の手を3<5>

「はぁあ!?」
全員が驚いた顔をした。清水が声を上げた以外は、誰も騒がなかった。それは柳瀬の冷静な声のせいか、あるいは驚き過ぎたからかもしれない。ただこいつの冷静さが、みんなを落ちつかせた。
「正気か!? 俺らがする必要あるのかよ!」

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迷い人に孫の手を3<4>

「待てっ、お前っ! ドア壊すのが先だろう!」
「その外が煙だらけだったらパニックになるだけだよ。開けるのは後にして」
清水の怒鳴り声に柳瀬が切り捨てた。ドアに向かおうとしていた清水が、慌てて手を引っ込めた。その肩を、隣の森が叩いた。

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迷い人に孫の手を3<3>

「……あれ、柳瀬? 元気か?」
連絡を受けていた会議室に入ると、そこに居たのは約束を取り付けた平賀課長ではなく、もっと良く知る人物だった。
安物めいたスーツにペラペラのストライプネクタイ、髪型も寝起きに水で撫で付けただけのような安物ファッションの、柳瀬薫の笑みがそこにあった。

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迷い人に孫の手を3<2>

「秋穂ちゃん、そのお漬物、僕も貰っていい?」
「好きに食べて下さい。というよりいちいち聞かなくていいですから」
「でも同じお皿にお箸付けるから……って何?」
女の子も居るんだし、と思って言った僕を、秋穂ちゃんは冷やかな目で見ていた。あれ、どうしてここで僕は、睨まれるのだろう。

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迷い人に孫の手を2<4>

「……僕は子供ですか」
「わしから見りゃ、お前なんぞひよっこだ」
トクさんに鼻で笑われて、僕は首を竦める。下手に褒められるよりも馬鹿にされる方が心地よいなんて変だろうか。
それでも僕は頷いて、トクさんと秋穂ちゃんの顔を交互に見やる。

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