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ハードボイルド

南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 最終話 埋蔵された巨謀(8)

   

「おいっ、お前ら。どっかで見たことのある顔だが、ウチの構成員じゃねえな。新入りか? ……まあ、いい。詮索してもしょうがねえもんな。『タイカク』はどうなってる?」
「た、体格って言われても、見ての通りですよ。そんなに特別ではないです」
 松下は、巨漢の問いに反射的に応じ、新藤や千夏に視線を振り、頷き合った。
 しかし、巨漢は、明確な答えにもすぐには反応せず、数秒経ったところで、ようやく「ああ」と低い声を漏らした。
 巨漢は、期待外れという感情を隠すこともせず続けた。
「なるほど。何も分かってねえ状態で連れて来られた素人さんってわけか。……いいかい、坊や。この業界じゃあ、軍の『部隊内特殊技能資格証明』を『タイケン』って言うんだ。世界中どこでもこの日本語は通じる。恥をかきたくなけりゃあ、せいぜい忘れないことだ」
 そう言ってから男は防護ヘルメットを取った。
 松下は、「あっ」という驚きの声を、ギリギリのところで飲み込んだ。目の前にいたのは、以前二谷と戦い、敗北した、地上げ屋の男だったのである。
「どうした。何を驚いている。地上げ屋が、その筋の人間が掘りに回るのも、ここじゃあ当たり前だぜ。ほら、手え出せ」
 地上げ屋は、自分の傍らにうず高く盛り上がっていた土を手に取り、広げた松下の掌に落とした。
 柔らかいはずの土は、ところどころ奇妙なほどに固く、鈍い輝きが漏れていた。
 指でほぐしてみると、黒い土の中から、黄金色に光る、円すい型の金属がいくつも出てくる。
 場違いなその発掘品に、松下と新藤は同時に声を上げた。
「こ、これは……」

 

-ハードボイルド

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