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ハードボイルド

南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 最終話 埋蔵された巨謀(8)

   

「お、おいっ、こりゃあ、こいつは何の冗談だ……!?」
「がははっ、冗談なんてもんじゃないぜ。ここには何でもあるってわけさ」
 クッションの区画を外れると、赤土が見えなくなるほどに、黒光りする鋼の物体が立ち並んでいた。
 整然と並べられたそれは、キャタピラでできた台座に座る、巨人のような異彩を放っている。
 全身鎧を身に着けた巨人のような胴体部分の両脇に据え付けられた「腕」は、左右四本ずつ、計八本におよび、一本一本の腕の中は「蜂の巣」のように無数に区分けされている。
「腕」は、縦方向にも三つに分かれており、都合二十四門の大砲が装備されている形だ。
 無限砲兵。
 その手の専門家の間では、半ば伝説と化した超兵器である。
 一本の「腕」には小型かつ強力なロケット弾が前中後三十発、計九十発装填可能で、合計で七百発以上をいつでも攻撃に当てることができる。
 空になった「腕」や砲面には、すぐさま胴体や車体から次弾が装填され、さらに車体にも、「倉庫車」から、ロケット弾が常に供給される。
 つまり、大元の弾が尽きない限り、強力なロケット弾を、機関銃のように乱射し続けることができる。
 しかも、車両を自由に走らせながら有線で補給を続けることさえもできるのだ。
 骨董市でさえ古びているように感じられる武器でありながら、一度射程内に敵を捉えたなら、どんな最新鋭の兵器でもお構いなしに破壊してしまう。
 自動追跡装置や人工知能が搭載されていない「賢くない」弾を使い、圧倒的な威力を示す「彼ら」の活躍は、リアルな軍事の現場ではなく、大ヒット小説の中で語られている。去年には、映画化の話まで持ち上がっているほどに有名だ。
 そんな、「お話の中」の存在が、群れをなして松下の前にたたずんでいるのだ。驚かないわけがなかった。

 

-ハードボイルド

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