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幻想 / 夢幻

幻影草双紙8〜宇宙空間の恐怖〜

   

 宇宙空間、そこは底知れぬ虚空です。
 悲鳴は聞こえません。
 誰も助けに来てくれません。

 

 事件がすべて終わってから、訳知り顔で評論する者が、何人かいた。
「最初から縁起が悪かったじゃないか」
 と言うのだ。
 エアロックの設計図が、月面基地のそれと入れ替わっていた――。
 ロケットエンジンのシールが、規格に達していなかった――。
 ネジの個数が不足していた――。
 などなどのトラブルである。
 だが、百万を超える部品からなる宇宙船を作るのだ。
 こうしたトラブルは、ある意味やむを得ない。
 発射は、都合五回、延期された。
 そのうち三回は天候のため。
 後の二回は、燃料漏れとストッパーの故障。
 これも、安全第一なのだから、当然のことではある。
 ちなみに、計画から実行まで、大きく変更した回数が十三回。
 この数字が悪い――。
 と言う、自称、白魔術師がいたが、これは一顧だにすることはない。

 ともかくも、幾多の困難を乗り越えて、人類初の有人火星探査船が出発した。
 搭乗しているのは、キャシー、マーガレットの女性二名。
 それに、ボブとジョージの男性二名。
 合計四人。
 片道一年半の長旅である。
 出発してからは、トラブルもなく、順調に旅は進んでいた。
 一年間は――。

 

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