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現代ドラマ

道 第十一回 スキャンダル

   

 
 芸術展では、必ず応募が見込まれる各団体の代表者間の話し合いで、団体別に入選枠が決められているというのは噂話としてあることです。

 5月に開催された飛翔展でもそういう噂話が聞こえ、取引話の録音テープがインターネットで公開されていたので、ご存知の方も多いと思います。

 私は、柴崎繁たちの悪事を間近で見てきた者として断言します。
 あれは事実です。
 
 全て柴崎たちが悪い訳ではありません。各団体も悪いのです。
 各団体も名誉があります。さらに、各団体には暗黙の序列が存在しています。だから各団体の序列に従い、入選枠の数を決めていくのです。

 当然、主催者枠もあります。柴崎はここに目を付けたのです。

 通常、主催者枠は話題作りなどに使われますが、柴崎が主催者に入り込んだ芸術展では『女』を取引材料としたことです。

 柴崎は『お品物』と呼んでいますが、入選ラインぎりぎりにいる応募者の妻に狙いをつけ、『ご主人の将来は貴女次第ですよ。』と追い込むのです。その際『栗原陽一朗』の名前を巧みに利用してきます。

 絵画の世界で『栗原陽一朗』の名前は絶対です。
 
 『栗原画伯のサロンに入れてあげましょう。』と言われたら、もう断れません。仕方なく、それに応じた者は『お品物あり』で夫は『入選』を、それでも応じない者は『お品物なし』として夫が『落選』の通知を受け取ります。

 

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