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現代ドラマ

道 最終回 和解

   

 
「敬一!しっかりしなさい!」

車内で応急処置が取られる傍ら、咲が声を掛けて励まし続けたが、背中を刺した包丁は肋間動脈を断裂し、出血が止まらなかった。

「耕三さんに会うんでしょう!死んじゃダメよ!」

咲は手を握って叫び続けたが、栗原は血圧が低下し、病院に到着した時には、もう意識はなく、間もなく息を引き取った。

副島から連絡を受けた耕三と啓子が駆けつけた時、咲は血で汚れた服のまま一人静かに座っていた。

「敬一は、咲さん、敬一は?」
「神様は許してくれませんでした。」
「えっ?」
「やはり許してくれませんでした。
 私は木下久美子を許しませんが、やはり、敬一は彼女に詫びなけれならなかったのです。」

咲は何度も「詫びなければならなかった」とうわ言のように繰り返していた。

 

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