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天国からのツイート @3 きわたしかです

   

アンサンブルコンテストのメンバーであった尾崎晴海が入院をしていたことから、見舞いに訪れた和宏。晴海と話す中で過去の自分の考えが間違っていたことに気が付き、晴海に対して心を開くと、まだ誰にも話していなかったが、裕輔からのツイートが送られてきたことを、彼女には打ち明けた。

 

《yu^suke @kazuhiro 今日も、とても好い天気みたいですね。。。》

翌日、ようやく届いた返信はこの言葉だった。きっと裕輔も返信に困っていたのかもしれない。和宏はこのツイートを途切れさせたくなかったので、今後は自虐的な文章を送ることはやめようと思った。
《kazuhiro @yu^suke 暑いよ、少しその雲で太陽を隠してくれ》

《yu^suke @kazuhiro 今度やってみます。。》

和宏はアルバイトにも行かずに、ただ家でゴロゴロとしていた。一昨日の派遣現場の雰囲気に、うんざりしたのもあるが、そろそろ日雇い人足の生活から抜けなければならないと、考えていたのもある。
しかし新しい職場での人間関係や仕事が上手くできるのかなどを考えると、今の状況から前に踏み出すことができずにいた。
床に寝転がり、窓から見える空をぼんやり眺めていると、耳元で携帯電話が鳴る。着信は重徳からだった。
「もしもし、和宏、ちょっと夕方時間あるか?」
電話の話は、連れて行きたい所があるから会おうと一方的に言われただけだが、家に居たところで、やることもない。部屋に閉じこもっているだけでは、無職であることの不安から、自己嫌悪に陥るだけだと思い、重徳と恵比寿駅前で待ち合わせをした。
一六時の待ち合わせに、それまで家に居ただけの和宏が五分ほど遅れて到着する。今日も古着姿の和宏に対し、白いワイシャツ姿に、少しネクタイを緩めた重徳が待っていた。
「ごめん、ごめん。ところで連れて行きたい所ってどこだ」和宏が尋ねる。
「病院にお見舞いだよ。晴海先輩、入院していたんだ」
「えっ、晴海先輩って、尾崎晴海?どこか悪いのか」
「なあに、先輩、旅行代理店に勤めて仕事頑張っていたらしけど、頑張り過ぎて過労で倒れたんだって。でも今はよくなっているらしいから」
そのことを聞いて安心する和宏だが、裕輔といい、尾崎晴海といい、あの同窓会から中学時代の人間が続けざまに現れるのが不可思議にも思える。
駅ビルの中にある店で、見舞いの花や菓子を買い揃えると、二人は駅から歩いて十分ほどの場所にある病院へ向かった。

 

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シリーズリンク

天国からのツイート 第1話第2話第3話

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