幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

SF / ファンタジー / ホラー

呼んでいる

   2014年2月20日  

 
『ねぇ、伊勢さん。こういう声、聞いたんじゃないの?』

私にはその声に聞き覚えがある。
あの時、必死に忘れようとしたあの声。
あの時、あの心霊スポットの公衆電話で聞いた声。
それを今度は自分のスマホから聞いている。
 

「あなた、誰? 友美はどうしたの?」
『何を言っているの? 友美は私よ? ねぇ、覚えている? あの時、私が言ったこと』
「何? 何言っているの? あなた、友美じゃないじゃない。だってあなた……」
そこまで言いかけた私は恐ろしくなった。
だってあなたはあの時の――公衆電話に出て聞いた声、言われた言葉を思い出す。
今まで必死に記憶書き換えて忘れていた。
忘れていた記憶と恐怖がいっきに呼び覚まされ、スマホを持つ手が振える。

切ってしまえばいい。
電話を耳から外し、通話を切る。
恐怖の中で私は意外にも冷静にそんなことを思うことが出来ていた。
それなのに――

 

-SF / ファンタジー / ホラー

レビュー

この作品はいかがでしたか?
あなたの感想を送って、作家を応援しよう!

レビューを書く

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

おすすめ作品