世は再びプロレスブーム。
新タッグ王者となった凡内と細岡は、二度の防衛に成功する。そして、三度目防衛の前哨戦で、凡内は対戦相手の片名、平賀から何かを感じとる。
新タッグチャンピオンとなった凡内と細岡。プロレス関係者だけでなく、数多くのファンも、彼らが長期政権を築くのだと思っていた。
「僕と細岡はこのベルトを外に持ち出します。どの団体の誰の挑戦でも受けます。誰でも龍日本のリングに上がればいいし、他団体で強い奴を見つければ、こっちから噛みつきにいきます」
「うちの団体では、もう俺らを倒すどころか、まともにやりあえる奴もいないでしょうからね」
どの団体にも強いレスラー達がいて、全ての団体が賑わうべきである。凡内達はプロレス界の活性化を目論んでいた。
「僕は風にだって毒にだってなる。バトルモードの幕開けだ」
リングを血に染める恐怖の覆面レスラータッグ、アニメキャラクターギミックで子供に大人気のヒーロータッグ、凡内と細岡は、二つの団体でベルトを賭けたタイトルマッチに勝利し、見事防衛を果たした。彼らが他団体のレスラー相手にベルトを賭けることで、互いのリングで他団体との対決カードが組まれ、一つのリングに両方のファンが集まっていた。
「軽沢君、なんか…急に身体が大きくなったね」
ある日、凡内が軽沢に言った。他団体のレスラーと戦うことで闘志を燃やし練習に励む。様々なレスラーと戦うことが大きな経験となる。軽沢を含め、多くのレスラー達が新しい風を受けて大きく成長していた。
「今度の前哨戦は6人タッグマッチみたいだし、また軽沢君と組んで戦うのが楽しみだよ」