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現代ファンタジー

マスクエリア 第五覆面特区〜一章 覆面マネー(4)

   

覆面集団との遭遇によっての混乱から立ち直った清水は、ボクサーたちからの襲撃事件をはじめとする、様々な奇妙な出来事を高倉へと伝えるべく、目に入った「ワールドレストラン」チェーンへと足を運んだ。

 

 人の気配がきれいに消えてしまったことを鋭敏に感じ取った清水が路地から出てみると、夜の街は完全な静けさを取り戻していた。
 二十四時間騒がしい繁華街や、夜になると途端に活力を増す怪しげな区画なども、この覆面特区には山ほどあるが、さすがに、閑静な居住区画でまで、どんちゃん騒ぎをするような者や店はほとんど存在しない。
 例外を挙げるとすれば、所々に点在するジムや道場から、灯りとともに、小さな音が漏れてくること位だろうか。
 昼間、別の仕事をしている者や、夜行性の連中、隣接する区画に出稼ぎに行っている人々など、日中練習できない人間も、この特区には無数にいる。
 そもそも、リアル格闘技系の興行団体に身を寄せている者のほとんどは、たとえプロでも、他の仕事やバイトをする必要に迫られている。もっとも、だからと言って昼間勤勉に働くかというと、全く別の話だ。
「ちっ、一体なんだってんだ」
 狩られる側の緊張から逃れ、一息ついた清水は、ぼやきながら、目に入った「ワールドレストラン」という看板に向かって歩き出した。深夜にも関わらず、店の駐車場や駐輪場には、結構な数の車両が止まっている。
 そのどれもが、近場の特区で作られた廉価品か、優に数世代は遅れている中古モノだ。新品の高級車など、ただの一台も見当たらない。
「いらっしゃいませ」

 

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