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現代ドラマ

須磨子 第一話:苦い思い出

   2018年1月24日  

 
若き日
 

木村(旧姓)須磨子は群馬県の女子高を卒業すると、「4年経ったら、家に帰ってお嫁に行きます。」と母親に約束して、都内の私立大学に進学した。

初めて一人暮らし、しかも生活様式も全く違う東京。最初の夜は寂しくて泣いてしまった。

だが、慣れれば、何を着ても、どんなに遅く帰ってきても、叱られない、親に干渉されない自由な暮らしはとても楽しい。

だが、恋愛は別。中学から女子だけの世界で育ってきたので、同年代の男の子と何を話していいのか分らなかった。

「木村さん、合コン、行かない?」
「あ、私は・・」

須磨子は最初は断った。だが、誘ってくれたクラスメートから、「私もあなたと同じ女子校育ち。損したと思わないの?」と強引に連れて行かれた。

「へえ、女子校?」
「そうよ、乙女の園よ。」
「本当に乙女かな・・へへ、付き合ってみない?」
「そうね、5年くらい待って。予約がいっぱいで。」

こんな会話に最初は驚いていたが、みんな、同じ19歳、背伸びしているんだと分ると、積極的に合コンに参加するようになった。

6月になると、あちらこちらで〝成果〟が現れる。

「えっ、したの?」
「今どき、バージンなんて、遅れているわよねえ。」

教室の隅でクラスメートが小声で囁くのを耳にするようになり、「遅れているのかしら?」とつまらぬ焦りを感じる女の子たちは浮足立った。

須磨子もその一人だった。

そんな時に参加した合コンで、自分と同じように「遅れている」の男の子を見つけた。
 

 

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