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現代ドラマ

須磨子 第一話:苦い思い出

   2018年1月24日  

 
「金井先生、どういうことですか?」

親しくもないのに、そんなことを言われる筋合いはないと、須磨子は突っかかっていったが、金井は「君はもっときれいになれる。」と車に乗せられ、美容室に連れて行かれた。

「ママ、この子、僕が見つけた原石なんだ。磨いて欲しいんだ。」
「先生、お遊びならお断りよ。」
「いや、本気だよ。」
「あらあら、いつもそんなことを言って・・まあ、いいわ。任せて。」

ママにとって須磨子は「着せ替え人形」のようなものだった。

「肌がきれいね。でも、いつまでもそのままなんてことはないのよ。」

洗顔、ファンデーション、リップ・・きれいな肌を活かしたナチュラルメイク。そして、長いだけの髪はばっさり切ってショートボブ。眉もいじっていない、爪や産毛の処理などしていない、ただ口紅をつけただけの「群馬のイモ姉ちゃん」は見事なくらい「都会の女」に変身していった。

「えっ、私?」

鏡に映る自分を見て、ママの方を振り返ってしまった。

「ふふふ、若いっていいわね。」

ママは微笑んでいたが、金井が言った「磨いて欲しいんだ。」とはこれだけではなかった。

「泊まっていきなさい。」
「え、でも・・」
「帰ったって、誰もいないんでしょう?」

結局、須磨子は引き留めらてしまった。
 

 

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