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恋愛 / ラブ・ストーリー

君がいない世界なら、僕は生きていけない・18

   

 俺と羽場戸先生は商業ビル内の喫茶店で珈琲を飲んでいた。

 ついに止めようのない事態に発展していた。

 羽場戸はアンチズの若者に電話で日時を伝えた。

 俺は煉獄会に電話して、正午ちょうどに両軍は対面することになる。
 
 

 作戦4の開幕。

 二人は高みの見物をしながら、建物の地下に捕らわれているリナと、煉獄会からしてみたら白咲が奪われた包みについて奪い返しにきた。

 中の状況を音声だけでも確認するため、二人はイヤホンを耳につけた。

 両軍の言い分が食い違っていることで猛烈な諍いへと発展していった。

 そして思いがけない、カチリという妙な音に俺と羽場戸先生は目を見開いた。

 その音は俺にとっても嫌な音だった。

 

 俺は羽場戸先生と一緒に商業ビル内の15階にある喫茶店の窓際の席で珈琲を飲んでいた。

 高みの見物をするためだ。この位置からなら一望できるからだ。

「先生、守備はどうですか?」

 クッキー八枚が小皿に盛られてテーブルの中央に置かれている。一枚を齧りながら珈琲の苦みとクッキーの甘さを口の中で混ぜるようにして味わっていた。

「問題はない。もう止めようのない事態になって動いている。お任せすればいい」

 羽場戸先生は余裕に満ちた顔で青い空の光を浴びていた。

「アンチズのアジト、酒屋に電話をかけるのうまいっすね」先生が機械音声で変えて日時を伝えたのを傍で聞いていた。「アンチズの若僧──、勢力そろえて出撃していったな」

 俺は大笑いしてみせた。「煉獄会のほうも同じですよ。挑戦状どおりに例の場所へ出陣していきました。もっとも肝心な監禁場所は明確には書いてなかったから俺が電話して教えましたけど、落ち着きようのない感じでしたね。だが、これで正午ちょうどには抗争がはじまる」

「そういうことだ」羽場戸先生はカップを手に持って黒く苦味のある液体をじっくりと味わっていた。

 

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