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恋愛 / ラブ・ストーリー

君がいない世界なら、僕は生きていけない・25【END】

   

 事件は終わった。白咲も負傷したが、警官二名も命は取りとめた。

 俺と羽場戸先生は刑事たちに詰問されたが、通りすがりの多くの目撃者のおかげで、お咎めなしとなった。

 だが、防犯カメラを解析している鑑識の男性が妙な違和感に気づいた。

 羽場戸の行動を指摘しているようだ。

 鑑識の男性の矛盾点も気になるが、羽場戸の行動はまるで“未来を予見”しているような行動に映っていたと話す。

 刑事はそれについては、わかったと一言だけいって、すべてを終わりにした。
 
 

 そして俺は沙良のもとへ帰った。

 日常の温かみのある暮らしの中で、彼女は涙を浮かべながらも事情はいっさい聞かずに、ただ「帰ってきた、よかった」

 と言った。
 
 
 

 ついにクライマックス。

 

 真昼時のスクランブル交差点は、一人の狂乱者によって騒然となった。撃たれた警官二名はすぐに救急車に搬送されたが命は取りとめたらしい。

 警察署の警官も駆けつけ、俺と羽場戸先生と通行人の目撃者が名乗りでてくれたおかげで騒ぎの一部始終を伝えてくれた。

 事情聴取も簡単なもので終わった。俺は事情聴取で通り魔銃乱射事件の犯人を圧制した。偶然その場にいた通行人の一人として賞賛された。

 少々やりすぎだ、と注意もされたが痛々しい両手の包帯を気遣ってくれた刑事や警官の言葉もどこか気の毒そうに肩に手を置いて、まるでご苦労さん、と無言で言ったように思った。
 

 
 

 駅付近の防犯カメラでも検証されるが、俺たちの姿も映っていた。妙な映像だった。

 鑑識は刑事に伝えた。二人は顔見知りのように見える。防犯カメラは俺が佇んで何かを待っているような姿が映っていると指摘した。

 犯人と対峙するように対話をしている。銃をむけられるのと同時に俺が突進したが、一発発砲された。

 このとき羽場戸が犯人にスプレーで視界を奪いながら人ごみに消えた。この数分後に警官がきた。

 羽場戸は単身どこかへと姿を消したままだ。

 それを指摘している。

「なにがいいたい?」刑事は首を傾け眉をきつく寄せた。

 鑑識は唇を結びながら、うまく説明できないが違和感があると言った。

「犯人と男性、つまり時城が対峙するまえから、反対の交差点で赤信号を待っている白咲は、ずっと遠くからすでに彼を見つめているようにみえる。まるで今日このときこの場所で対峙することがあらかじめわかっているように」

 と鑑識の人は説明した。

 訪れた警官二名ですが、羽場戸先生が派出所に訪れたときの時刻を確認するとまだ彼と犯人が対面するまえの段階で来ている。駅前で異変はまだ起きていない。この矛盾が気になります。

「でもスプレー缶で煽ったのは羽場戸のほうだ」

「ですが、そのあと白咲は懐からピストルを出してから一分、対峙する時城と話しをしているんですよ。それと羽場戸ですか、あの人はまるで“未来を予見”したように騒ぎが起きると呼びに派出所へ向かった、そう思えてならないんですよ」

 刑事は唸った。だが、わかったと一言だけいった。

 

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