幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

現代ドラマ

昭和の事件 第四話 シンナー遊び

   

シンナー遊びは昭和42年(1967年)頃から、若者の間で流行りだし、翌43年(1968年)にはシンナー乱用によって補導された青少年は2万人余り、死者110人、昭和45年には補導された者の数が約5万人にも広まり、その魔の手は中学生にまで伸びていた。

昭和45年、夏休みを前に、「シンナー遊びは絶対にダメだ。」と先生方は強い口調で注意したが、その指示に従わない者も出ていた。

2学期、すっかり変わってしまったクラスメートに戸惑い、先生方も心配していたが、悪い予感は当たってしまった・・

 

 
シンナー遊び
 

昭和44年(1969年)7月17日(米国現地時間:7月16日)、月面着陸を目指すアポロ11号が打ち上げられた。そして、7月20日の日本各地の小・中学校の終業式では、校長先生が「明日(21日、米国現地時間:20日).アポロ11号が月に着陸します。」とお話されたところが多かったようです。

ところが、翌年の昭和45年(1970年)7月の中学校終業式では、大阪で日本万国博覧会が開催されているにも関わらず、そのような明るい話題はなく、「シンナー遊びをしてはいけない!」と強い調子で、校長先生をはじめとした先生方が注意事項を読み上げるところが少なくなかったようです。

小学校高学年から中学校にかけて、男の子なら誰でも一度は夢中になるプラモデル作り。その遊びに欠かせないのが、プラスチック用の接着剤です。

3畳あるいは4畳半など、当時の子供部屋でプラモデル作りをしていると、ぷーんと立ち込める良い香、「接着剤のいい香り」と言っていましたが、それがシンナーの香りでした。

「吸い過ぎると、気持ち悪くなるから、窓を開けなさい。」

親から注意されるのは、その程度ですから、それがとても危険な物資であるという認識は当時の小・中学生にはありませんでした。

ですから、突然、「接着剤の匂いを嗅いではいけない。」、「シンナーを吸ってはいけない。」、「シンナー遊びは絶対にダメです。」と言われても、ピンと来なかったというのが実感でした。
 

 

-現代ドラマ
-, , , ,

シリーズリンク

レビュー

この作品はいかがでしたか?
あなたの感想を送って、作家を応援しよう!

レビューを書く

おすすめ作品