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伝奇時代

生克五霊獣-改-39

   

「だから、俺は死ねません。どんなに辛くても、やるしかないんです」

 時代伝奇ストーリー!

 

「だから私と共に、としたのだ。いずれにせよ、あの術を使うには犠牲が必要になる」
「血の繋がりはなくとも、父上にとって旬介はそれだけ強い親子の絆があるのでしょう。形は違えど、それは母上にも。俺よりずっと強い絆があるように見えますけどね」
 葛葉は、相槌を打つように頷いた。
「他に、何か手を考えましょう?」
「そうじゃな、すまんな……」
「何、俺もこれ以上誰を失って行くのは嫌ですから」
「そうではない」
 蜃が首を傾げるのに合わせるように、葛葉は続けた。
「私が産んだのは蜃、お前だよ。けれど、あの子がお前の代わりに私達を支え続けてくれたのは、紛れもない事実なのだ。だから……」
 言いたいことが言葉にならず、詰まる葛葉に蜃は笑いかけた。
「何を今更。そんな事、気にもしていませんよ。何故なら、俺にとって本当に両親だと思えるのは、まだ養父母なんですから。頭では分かっていますが、どうしても覆しきれません」
「そうか。人間とは傲慢なものだな。それを悔しく思う私がいるぞ」
 それではと、部屋を出る蜃の背中を見ながら、葛葉は安堵を覚えた。

 

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