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風刺 / ユーモア

俺たちのモクサン(2)

   2018年5月22日  

篠田たちを取り巻く「悪い流れ」は、時間を追うごとに顕著になっていった。篠田たち本隊ではないものの近しいワルたち、クラスでのまとめ役をしている連中が、次々に学校から「追放」されていった。

しかもその容疑はほぼことごとくタバコか飲酒などであり、生徒会に属する彼らにはなさそうな話だったが、容赦なく「処分」は下っていく。

そしてその裏に潜む西川は、さらなる手を取ってくるのだった。

 

 
「悪い流れがするね。どうも。俺はすぐ帰った方が良さそうかな」
 俺が部屋に戻ってみると、入れ替わるようにモクさんが腰を浮かした。
「狩り場に戻るわ。ただお前らは気をつけた方がいいかもな」と言い残し彼が去っていくと、不良たちはにわかにテンションを下げた。
「流れか。確かにモクさんがそう言ったのか?」
 俺の確認するような声に、杉下たちは力なく頷いて応じた。
「聞き間違いじゃない。確かに何度も言ってた。電話だって言ってたけど、相手は誰だったんだ?」
「技術部の七瀬だ。タバコで無期停食らったってよ」
 その名前を聞いた瞬間、杉下たちの顔がさっと青ざめ、それで俺も事の重大さに気付くことができた。
 工業の専科がある高校だからか、技術部のレベルはかなり高い一流高校の中でも、「七瀬班」は特別だ。
 包装やデザインなどを請け負っている関係上、他の不良グループと仲が良い、一種のキーマンとさえ言える。
 だから狙われたのか、と皆当たりをつけ、そして深刻な要素を飲み込んだ。
 モクさんの見立て力は協力無比なものがあり、彼が言うのであれば確実に強い流れはある。
 そして強い流れには、抗うことさえ容易ではないと皆知っていたからだ。

 

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