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現代ファンタジー

なな★しき ~次元管理員 七尾と志紀子~ 第19章 戦士の休息

   

七尾のそばで安心して眠る志紀子。
彼女の無防備さにうろたえる七尾だが、自分の存在が志紀子にとっての拠り所となっていることに気づく。

一方、次元管理機構では緊急会議が行われていた。

「現状、彼女の能力に頼るしか方法がなく」

志紀子に、新たな任務が与えられようとしていた。

 

「次元壁の核について、現在の情報が欲しい」
《後ほど詳細データを送る予定ですが、現状では、三時間ほど動きがない旨、聞いています》
「わかった。データはグランバル支部長宛にも同送してくれ」
《了解です》
 七尾の通話の相手は、次元管理機構の通信オペレーターだ。
 空中に浮かんだ半透明のディスプレイには「VOICE ONLY」と、この通信が声のみであることが表示されている。
「それで、『三時間ほど動きがない』というのは、どういうことだ?」
《はい。観測チームからの報告によりますと──次元震の影響により、各次元世界の境界に小さな歪みが発見されるなど、各地で異常が確認されており、その対策準備に三時間を要するそうです》
「ずいぶん時間がかかるんだな」
《次元壁の核への対応にも絡んでいるためでしょう》
「ああ、なるほど」
《正式な協力要請は追々あると思いますが、現在【T・K】支部で任務中のメンバーは、〝三時間後〟に備えて少しでも休息しておくようにとのことです》
「了解した」
 普段なら七尾と上司が直接話すところであるが、少し前から緊急会議が始まっているため、各方面とのやりとりは数人の通信オペレーターが行い、必要があれば会議中の上司へつなぐことになっているという。
 ちなみにこの通信オペレーターは、七尾の後輩に当たる人物である。
《ところで、先輩?》
「なんだ」
《何で音声オンリーにしてるんです? 映像回線ならもう回復してますよ?》
「……。この通話は映像なくても問題ないだろ。じゃな」
《あ、ちょ──》
 詳しくツッコまれる前にさっさとディスプレイをオフ。一方的に通話を切った七尾は、チラリと後ろを振り返る。
 その視線の先には、ベッドで横になりウトウトしている志紀子がいた。

 

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