幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理 【ぼくらのガーベラ】18

   

 さっきから輪都は挙動不審な行動をとっていた。

「どうした輪都くん…」氷室はぼう然とその脅えたウサギのような仕草に目を細めた。

 輪都が振り返ると脅えているのではなく焦っていた。そして叫んだ。

「杜坂さんがいない!」

 御影は驚愕した。自分の推理に答えがたどり着いていた。そして一番の懸念を脳裏にしまいこんだまま忘れていたなんて。

 警官隊に任せていたことが、盲点となってしまった。

「くそっ、一番の首謀者を見逃した!」

「空港で合流はよく考えたものだ。人ごみの中、大捕物をしている最中、堂々と別の飛行機に搭乗して逃亡するつもりだろう。もしかしたら杜坂はこのことも策略のシナリオに書き換えていたのではないか」

 氷室は冷静に分析していた。

「ええ、一人だけってこと…」輪都は冷静さを失っていた。

「そんな…、だったらいますぐ飛行機の搭乗者全員の名簿を確認して…」御影は焦りはじめていた。先手を打たれて頭の中は何を優先すべきか混線状態になっていた。

「いや、もう遅いだろう」氷室はあきらめのひと言を放った。

 御影と輪都は愕然と肩を落としていた。あの氷室名探偵が犯人を目前にあきらめの言葉を放つとは考えられなかったからだ。

「だが、まだ手はある」

 氷室のあきらめは御影の搭乗客の名簿を調べているうちに飛行機は離陸することだった。それより別の手が。

「なにか手があるんですね」

 この件のすべてに決着がつく瞬間が訪れる。

 氷室はにやりと笑みをこぼした。
 
 

≪つづく≫

 

-ミステリー
-, , ,

シリーズリンク

レビュー

この作品はいかがでしたか?
あなたの感想を送って、作家を応援しよう!

レビューを書く

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

おすすめ作品

愛の聖域 前編

見習い探偵と呼ばないで! Season8-6

見習い探偵と呼ばないで! Season10-4

見習い探偵と呼ばないで!【番外編・御影解宗の休日】5 END

見習い探偵と呼ばないで! Season14-11