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現代ドラマ

鈴子 第九回 明暗

   

 
突然の地方視察
 

順調にスケジュール通り進んでいた支援者回りだったが、突然の電話に予定が狂わされてしまった。

「あ、大木さんかな?」
「あ、どうも、大木です。」

健一のスマホに〝政治屋〟池田議員から電話が架かってきた。

「ははは、挨拶回りの最中かな?」
「ええ、そうですが、構いませんよ、今は車で移動の途中ですから。」
「いやあ、悪いね。」

電話の向うから資料を取り出す音が聞こえてくる。

「突然で申し訳ないが、来週の火曜から木曜まで、大分へ視察に行かないか?」
「えっ、来週ですか・・」
「急に知事や市長のアポが取れてね。」
「はあ・・」
「大分ってところは社会福祉にとても力を入れているところなんだ。高齢者、障がい者、それに小さな子供がいる家庭に優しいんだ。これらの方々が安心して外出できるようにって、『大分バリアフリーマップ』というものを作っているんだ。」
「はあ、そうですか・・」

池田議員=遊びとは決めつけないが、急に視察に行こうと言われても、スケジュール調整出来るか分からない。
健一は気乗りしない返事をするが、彼はこちらの意向などに関係なく畳み掛けてくる。

「大分って、温泉だけだと思っていないか?」
「いや、そんなことはありませんが・・」
「よく知らないようだな。そんなことじゃダメだぞ。こういうことは私の選挙区は勿論、君の選挙区にも役立つ。今から『福祉に力を入れる大木』と支援者に印象付けておくんだ。」

確かに社会福祉の充実は日本全国共通の課題であり、池田議員の言うことはもっともなことだ。

 

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レビュー

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  1. 丸山 利子 より:

    推理小説の様な話しの展開で最後まで一気に読みたい内容です。 また次回が楽しみです。

     

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