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現代ドラマ

鈴子 第九回 明暗

   

 
恐喝
 

一方、その頃、吉岡産業では事件が起きつつあった。

「はい、吉岡産業秘書室ですが?」
「あら、俊夫さん。」

青木弥生の声だった。

「こ、こんなところまで電話してくるなよ・・」

俊夫は声が大きくなってしまった。慌てて周りを見たが、運がいいことに、殆ど人が出払っており、聞いている者はいなかった。

「ご迷惑?」
「当たり前じゃないか。」
「じゃあ、携帯の番号を教えて下さらない?」
「嫌だ。」
「だったら、夜にでもお宅に電話しようかしら?」
「バ、バカなことを言うなよ・・」

妻にガードマンをつけた時もひと悶着あったのに、電話が架かってきたら、それこそ大変なことになってしまう。

「携帯の番号を教えてくれれば、奥さんに気が付かれないで、話が出来るでしょう?」
「う、うるさい・・」

苛立つ俊夫とは対照的に、電話の向うでは笑い声が聞こえる。

「お前と話すことはない。」
「あら、冷たいのね。今、受付で面会票を書いているのよ。」
「な、何!今、そっちに行くから・・」

これまでも、サッカースクールの行き来に付き纏われ、金をせびられたこともあったが、まさか会社にまで押しかけてくるとは・・早く外に連れ出さないと、社内の者に怪しまれてしまう。まして、社長の耳に入ったら、もっと面倒なことになる。

俊夫は電話を切ると、秘書室を飛び出していった。

 

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レビュー

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  1. 丸山 利子 より:

    推理小説の様な話しの展開で最後まで一気に読みたい内容です。 また次回が楽しみです。

     

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