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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理 【ぼくらのガーベラ】19

   

 霞ヶ浦湖を車で遠回りしてでもこの空港を選んだのにはわけがあった。
 中国行きの飛行機があるからだ。成田空港での騒ぎに注目を浴びせておけば注意力がほかで落ちる。

 警察も出し抜けると思ったのだ。

 輪都が気づいたことで、御影らは成田空港から追跡を独自に始めた。

 どこへ向かったか、それはわからない。さすがに氷室は羽田空港かと思ったが、輪都がそれはちがうと指摘した。

「成田空港へむかったとき違和感を感じてました。茨城県にも飛行場がある。そこから海外へ行けるとネット検索したさいに見ました」

「なるほどね」氷室は思い出したかのように納得した。

「氷室さん!」御影はその空港のことはわからなかった。だが、推理としては成田空港が囮である可能性はじゅうぶんに高い。輪都を犠牲にしようとしていた杜坂の思惑だ。まさかとは思ったが、ガーベラのメンバー全員を騒動に巻き込み、どさくさに紛れてほかのルートで単身逃げ切る。

「輪都くんの推察は正しいと思うね」氷室はにやりと笑みを浮かべて次の行動へと移った。

 すでに騒動が起きてから10分あまり経っていた。今ごろはその飛行場へタクシーか隠していた車で向かっているだろう。

「だからわたしはこれを選択した」

 セスナ機が御影たちの前にゆっくりと車輪が回って近寄ってきた。

 氷室名探偵が手配した。たまに利用するから顔が知れていた。これには御影と輪都は度肝を抜かれた。

「すげー!」のひと言に尽きる。
 
 

 杜坂もまさか気づかれるとは思わなかった。輪都とむやみに仲を近づいたのが痛手になったことは言うまでもない。

 行き先は、春秋航空しゅんじゅうこうくう中国上海浦東プードン国際空港、要するに上海が目的地だろう。

 

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