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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理 【ぼくらのガーベラ】19

   

「探偵…」杜坂は静かに後ずさりしていた。

「逃げても無駄だ、まったくとんだやろうだ。仲間を囮に一人だけ混乱に乗じて別ルートから逃亡を諮るとはな」御影は呆れかえっていた。

「……」

 背後に輪都と氷室が佇んでいた。

「輪都くん、横にいるのは氷室探偵か…、やられたね、まさかあの混乱の中、追いかけてくるとは」

「あんたがわるい」御影は単刀直入に言った。

「何がだ?」

「芝原家のとき、あんたが輪都を気にしたから、輪都があんたを気にするようになった。だから姿がないことにいち早く気づいた」

「そうだよ、杜坂さん…、僕らを騙して、ガーベラの仲間まで裏切って、一人で逃げるなんてかっこ悪すぎだよ」

 氷室が口を挟んだ。「海外にいる仲間と合流して頭数が減れば奪った金も取り分は増えるからな」

「狙いがバレバレだったか…さすが日本屈指の名探偵だ。東京ガーベラのメンバーから耳にしたが、先手を打たれるとは…」

「いや、常に後手にまわっていた。だが、最後には先手を打ったようだね、このわたしがいるかぎり無駄な足掻きだ」氷室探偵は指を指した。

 押されてもいないのに杜坂はその指先からのびる見えない力によって一歩後退した。

 

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