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ミステリー

スクープはいとも簡単に5

   

 快場は独自の取材方法で動画や掲載記事を書いてはSNSにアップしていた。

 その成果が報道部の鳳来の目に留まりスカウトされたわけだが、その一つが花売りの花を買い占めた紳士の記事だった。

 偶然おなじ公園にいた快場もまた紳士からの一輪の花を貰った。その感動的な紳士の話しを掲載した。

 あっという間に話題性をつかんだこの動画は広まっていった。

 しかし、向井田は感動的なその動画を見下していた。そんな甘い記事が書いていることを見下していた。

 快場は抗うだけの情熱を滾らせていた。

 

 独自のやり方で単身取材をしていたが、そのスキルやパフォーマンスがSKY634テレビ局報道部のデスクの目に留まった。

 報道局のネタより閲覧者が多く、そして評判がいいものだから鳳来は俺を気に入って契約社員として迎え入れた。かなりの恩がある。感謝しきれない気持ちでいっぱいだった。

 ソーシャルネットサービス(SNS)に動画をアップして、日々のおもしろ映像やテレビのニュース番組でも取り上げられそうな内容をいち早く動画や画像をアップしている。地道に自分のスマートフォンの動画で録画して歩きまわりSNSにアップしているが、誰もが閲覧できるように設定し、広告収入も得て彼女の美桜と、これは仕事か、という口論をたまにしていた。

 上京してやることがないからといって趣味でやっていた範囲の動画は、その内容からして素人ではないほどの取材能力を買われたものだ。

 入社後、俺の脳内を占めるものは違和感と疑念しかなかった。入社した途端に記事の作成ができない。余暇がない。する時間がなくなってしまった。

 まるで鳳来は、いや報道関係者一同こぞってプロフェッショナルの世界を邪魔するな、と釘を刺すかのように俺を手中に入れて、その活動を抑制した。こっちが邪魔されている状況に気づいたのは、時すでに遅しだった。

「向井田と鳳来、いつか思い知らせてやる!」

 

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