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現代ドラマ

鈴子 第十二回 巧妙な絡繰り

   2018年7月9日  

 
「編集長、国会が招集されますが、仮面をかぶった輩は許せませんよ。」
「それで、『国会議員の身体検査』なのか?」
「ええ、勿論です。『先生』なんて言われて偉そうにしていても、女を囲ったり、銀座、赤坂で遊んでいるのに、政治資金で賄ったり、そこに挙げた取材対象候補者にはろくな奴がいません。」

意気込む若手記者に「まあ、飲めよ。」と編集長はビールを注いだ。

「それで誰をターゲットとするんだ?」
「はい、これです。」

待ってましたとばかりに資料を配る若手記者の顔には「やってやるぞ!」という気持ちが現れ、アルコールだけではない、赤みがあった。

「年寄りも悪いことをしますが、今回は次を担うと期待されている4回から7回までの当選者をターゲットとします。」

陽子は配布された資料に目を通していたが、そこには「香川県選出 池田和雄」の名前があった。勿論、あの池田議員だ。

  この人、鈴ちゃんの旦那さんと同じ会派・・
  一緒に遊んでいなければいいけど・・

陽子は嫌な予感がした。

「こいつ、真っ黒なんだよ。」
「そう、俺も噂を聞いているよ。」

酒の勢いも加わり、話は尽きないが、最後に編集長はまとめるべく、陽子に振った。

「副編集長、何か意見は?」

できればやめて欲しいが、ここで個人的な感情を交える訳にはいかない。

「あ、いえ、これでいいと思います。」
「じゃあ、これを取り上げるか。よし、いいだろう。」

  どうするかは、取材の状況を見てからかな・・

陽子はその資料に「鈴ちゃん」と書き込んでいた。
 
 

(続く)

 

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