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現代ドラマ

鈴子 第十二回 巧妙な絡繰り

   

 
嫌な予感
 

年が改まり、平成26年。24日には国会が招集されるが、とても穏やかなお正月だった。

「鈴子、俊夫さんからだ。」
「お元気そうどすね。」

健一宛ての年賀状は殆どが儀礼的なものだが、吉岡俊夫からの賀状はそうではなかった。「フランクな付き合いをしよう」と互いに約束した通り、宮崎に転勤しても、「こちらでもサッカースクールで教えています。智樹君は頑張ってますか?」と近況を書き添えてくれた、心の籠ったものだった。

「うち、お手紙書きます。」
「そうだね。智樹にも何か書かせたらいい。」

鈴子宛に届く年賀状にも儀礼的なものが多いが、中には懐かしい便り、嬉しい便りもある。その一通が、姉と慕う水野陽子からのものだった。

「あんさん、陽子はん、副編集長にならはったんよ。」
「へえ、陽子さんが・・頑張ってるんだな。」

彼女は鈴子より一つ上、38歳になっていたが、雑誌社勤務が肌に合うのか、仕事が出来るので誰も近寄らないのか、未だに独身だった。

「でも、これで、またお嫁に行けなくなっちゃう。うちは陽子はんのお嫁はん姿を早く見たいと思います。」
「ははは、そうだな。いい人だからな。」

二人は縁結びのきっかけを作ってくれた陽子との思い出にしばし浸っていたが、陽子の雑誌社では早くも新年会を兼ねた編集会議が行われていた。

 

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