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幻影草双紙90・気味の悪い部屋1

   

 あなたは幽霊を信じますか?

 

 
 小堀十和子は、子供のころから超常現象や幽霊を信じていなかった。
 超常現象なんて、きちんと調べれば物理的な理由が判明できるのだ……。
 幽霊なんて、心理的な想像物にすぎない……。
 こういうわけである。
 もちろん、小さい子供であるから、このような論理的思考はできなかった。
 ただ、彼女の心の中を論理的に整理すればこうなるのである。

 小学校の担任の先生は、ときどきお化けの話をしてくれた。
 この学校の敷地には、昔、病院が建っていた……。
 校舎の北側のトイレの場所は、重症の患者たちの病室だった……。
 その病室から、生きて出た患者はいない……。
 学校になってから、そのトイレには重症患者の幽霊が出るようになって……。
 放課後に、一人でトイレへ行くと……。
 生徒たちは、目を輝かせて聞いていた。
 だが小堀十和子だけは、冷ややかな目をしていた。
 校舎の北側のトイレは、薄暗くて壊れたままになっている。
 確かに気味の悪い場所ではある。
 だが、それが幽霊に結びつくのは納得できないのであった。
 トイレの個室に隠れているのは変質者であろう。
 変態の痴漢……。
 その方がよほど怖いではないか。

 こういう考えを持つようになった理由の1つには、叔母の町田真理子の存在があった。
 小堀十和子が「マリ叔母さん」と呼んでいる町田真理子は、霊能力が強かった。
 随所に幽霊を見ていた……。
 忌すべき場所が直感的に分かった……。
 少なくとも本人はそう言っているのである。
 彼女は、陰陽道の暦を元にして行動していた。
 私には安倍晴明の霊魂がついている……。
 というわけである。
 町田真理子は、横浜で美容院を経営していた。
 その傍ら、占いをしていたのである。

 小堀十和子はマリ叔母さんが好きであった。
 しかし、霊魂云々に関しては、「ついていけないなぁ」と思うのであった。
 さらに、彼女が唯物論的思考をするようになった理由は、マリ叔母さんだけではなかった。
 

 

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