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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理【サンライズ出雲・Life Game】6

   

 犯人の動機もわかると御影は信じれないようすだった。自ら事件を解いたというのに、この一夜の旅は思いがけない真実を知ることになった。

 サンライズで残りの時間を過ごしている。それぞれがライバルとなり出雲市でおこなわれるクイズゲーム番組で対決することになる。

 上埜は出場できないが、山神ら残党が宣戦布告を御影にしてきた。どうやら御影の推理に一矢報いたい衝動に駆られているのだろう。

 出雲駅についた御影は依頼人と待ち合わせて対面を果たす。しかし依頼は愕然とする──

 

 数十分後、サンライズ出雲・瀬戸行きは岡山の駅に着いた。

 上埜は田井を襲ったことでホームで待っていた刑事に現行犯逮捕された。

 田井はすぐに救急搬送された。医師が応急処置したが精密検査は病院でしっかりと診たほうがいいとつたえていた。

 上埜の連れの山神らはお咎めなし。御影がしっかりと事情を話した。この件に関して四人は巻きこまれただけだった。事情聴取することは任意ではあるが話したいことがあるなら聞く。仲間の上埜を助けたいために言いたいことがあるのなら聞く、と刑事は応じていた。

「氷室名探偵の名を知ってから刑事はあの若い探偵に媚びているな」

 日下田が顔をゆがませた。

「実際、探偵社や警察関係にも情報は知れ渡っていてあの探偵さんは若くして氷室名探偵の右腕というのはいいすぎではないみたい」

 和代が細い目で探偵を見据えていた。

「おかげで俺たちは解放されたわけだ。感謝をするべきかな。上埜さんにはわるいけど弁解はしない。俺たちには手に余る事態となった。ただのクイズ参加者として明日からしっかりとやろう」

 山神は誇張することなく己の頭脳について謙遜した。

「このまま出雲へむかっていいわけだな」

 紫はぶっきらぼうに毒を吐いた。もう上埜のことを投げ捨てるかのように。

 御影はこれまで同じ意識のもと同行してきた仲間をこれほど簡単に抛ることに無情であるとやりきれなかった。

「礼にはおよばないよ。ふたりもゲーム不参加がでたんだ。会場では楽しもう──」

「探偵がテレビ番組のクイズゲームにでるとはね」

 山神が鼻で笑い吐露した。

「あきれるよな。裏工作でもされたら困る。正々堂々と俺たちと闘ってもらう。いいな探偵──」

 紫は腕を組みながら背丈を伸ばそうとしながら噛みついた。きっと警察にパイプがあるとわかり社会の裏に精通していることを咎めたのだろう。

「望むところだ」御影は口角をあげて勝ち気に笑みを浮かべた。「つぎは出雲の地でクイズゲームでバトルだ」

 そのまま四人は言葉なくサンライズ出雲行きの列車へと乗りこみ、それぞれの個室へと影を消した。

 四人のライバルは目を輝かせて上埜と田井がいないクイズ番組で対等に闘えそうな好敵手と出会えたことは怪我の功名だった。それでも四人はこのクイズ番組に出たからとはいえ、伝承の秘宝をあきらめたわけではない。

 なんら手がかりもヒントもないが、あきらめないのはあれだけ卑屈な言葉をならべていたが、上埜への想いがあるからだろう。

 御影は鼻でわらった。

 秘宝なんて伝説にすぎない。そう思っていたが、まさかその謎について追跡することになるとはこのときおもっていないだろう。

 

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探偵の眼・御影解宗の推理 【サンライズ出雲・Life Game】 第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話第12話第13話

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