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現代ファンタジー

なな★しき ~次元管理員 七尾と志紀子~ 第20章 志紀子、スタンバイ

   

短い休息を終えた志紀子は、次の任務を言い渡される。

《次元地図に示したポイント三ヶ所に装置を配置しましたので、あなたにはその起動作業を……》

スタンバイした志紀子、任務完了に託された時間は、15秒。

 

「……ん」
 目覚めの感覚を覚え、ふと目を開けると。
「!」
 視界いっぱいに七尾の顔があった。彼は寝ているらしく、小さな寝息が聞こえてくる。
(あ……。休息に入ってから一緒に寝ちゃったんだ)
 まだ半分寝ぼけた頭でそんなことを思いながら、時刻を見ようとモソモソ動くと。
「志紀子?」
 まるで既に起きていたかのような声で、七尾が目を開けた。
「あれ、起きてたの?」
「いや。それなりに寝ていた。任務遂行中の仮眠はいつもこんな感じだ」
「そっか」
 改めて体を起こそうとすると、七尾もその動きに合わせて身をよじる。
「? 七尾くん?」
「……。体勢」
 なぜかクスッと笑う彼に。
「ん?」
「だってお前、俺の腕にずっと巻き付いてるからさ。一緒に起き上がるしかないだろ?」
「へ?」
 言われて初めて、自分の体勢というか寝相に気づいた。
 ついでに、寝ぼけて彼を押し倒すの如くベッドに引っ張り込んだことも思い出し、小さくひゃあっ、と声を上げて跳ね起きた。
「え、ええと、いま何時?」
 時計を改めて見れば、休息に入ってからちょうど半分。一時間三〇分ほどが過ぎていたようだ。
「……志紀子。休息が終わり次第、次の指令が来ると思う」
「!」
「それが終われば、すべての任務が完了になるはずだ」
「じゃあ、もうひと頑張りだね」
 何だかんだでしっかり目覚めた志紀子の表情が、スッと引き締まる。脱衣所へ入っていき、洗濯が完了していた服を素早く着ると、鏡の中の自分を暫し見つめ。
「よし!」
 頬をパン、と叩き、再び戦士の顔に戻った。

 

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