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現代ドラマ

鈴子 第十七回 二人三脚

   

 
日々の努力
 

悲しみを乗り越え、鈴子は地道に地域活動に励む。

今日も子供たちを学校に送り出すと、ジャージに着替え、公園に出掛けた。

「鈴子さん、おはよう。」
「上田はん、猪瀬はん、おはよう。今朝もご苦労様どす。」
「何よ、その言い方。いつまで他人行儀みたいなことを言って。」

たった一人で始めた公園や広場の花壇の手入れや清掃たが、暑い夏を過ぎると、その仲間が多くなっていた。

前回の選挙の際、「あの着物も政治資金で作ったのよ」というあらぬ噂を立てられ、〝鈴子サポーター〟の上田さんと猪瀬さんは、「違うのよ」とどんなに説いて歩いても、「本当かしら?」と、それを覆せなかった。

二人はその悔しさを忘れない。そこで、「言葉だけじゃダメ。本当の鈴子さんを知ってもらうには、一緒に活動してもらわないと!」と、商店街や友人に呼び掛け、「素敵な街づくりグループ」を立ち上げた。

最初は10人程だったが、タウン誌などでも取り上げられたお蔭で、今では会員数は100人を超え、支部も3つと大きなものになっている。そして、今朝も新しい仲間が加わった。

「ねえ、新しく加わってくれる木下さんと根岸さんよ。」
「木下です。」
「根岸です。よろしくお願いします。」
「大木鈴子どす。こちらこそ、よろしくお願いします。」

二人は鈴子より10歳も年長。子育てが落ち着き、花で街を飾りたいと参加してきた。

「雑草が凄い。ちゃんと取らないと。」
「全くそうね。花は枯れても雑草は生き残る。強いわね。」

さっそく、それぞれが鎌などを手に公園のあちらこちらに散らばった。

「素敵な街づくりグループ」は年齢も職業も様々だが、共に汗をかいた繋がりは、しっかり根を張った雑草のように強い。

 

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