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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理【サンライズ出雲・Life Game】10

   

「それなら上埜さんの知りあいの中にも、たしか補欠のような人が一人います」

 大葉は資料を捲りながらいった。参加者の情報をすべて把握している。

「上埜さんのチームは五人組で残った四人が二チームとなって参加です。ですが優勝候補とまではいきません。それとかなりの実力者で一般参加してきた三人組がいます。この中の一人が予備員として連れてきたようです。ライバルの上埜さんがいなくなり、前村、置田、新津の三名はやりがいがないでしょうね。それともこうなることを予期して優勝を狙いにきたとも考えられます」

 太祖は大葉の言葉に続いた。わりと頭脳は切れ者だった。そのため波多薪の側近のようになっている。

 太祖は予選を通過した中でもっとも優れていた者たちをあげていった。

 山神 脩一、25歳。一流T大学卒業。リーダー担当。高身長の手足が長く痩身である。非力なイメージだがT大学卒業は伊達ではなく頭脳派で通っている。

「こいつか、上埜と同じくよくテレビのクイズ番組に参加していたな」波多薪が資料を見ながらほくそ笑んでいた。

 和代 保詰、23歳。一流T大学卒業。すらっとした体型の頭脳明晰。饒舌な女性。山神とチームになっているサブ担当。

「ほう、なかなかの美人じゃないか。この子はあまり見ない感じだな」

「以前もクイズ番組に出場しています。かなり見た目は地味でしたけど、イメチェンしたようです」

「そうか、女は化けるもんだね。こりゃ視聴者うけするだろうね、ふっ」

 紫 史記、26歳。一流Y大学卒業。リーダー担当。小柄な背丈で和代よりも小さい。

 波多薪は関心なく黙っていた。

 太祖は紫のサブ担当を紹介した。

 日下田 壮士、29歳。一流Y大学卒業。体格がよく大学時代までずっとラグビーをしていた。

「ふん、でっかいのとちいさいコンビか」

 つまらなそうに鼻息を吹いた。

「さきほど紹介した一般参加者の──」

 太祖は波多薪の苦言を無視しつづけた。

 置田 誠、26歳。一流T大学卒業。リーダー担当。野太い声を発し、体型は丸みがある。

 新津 久弥、28歳。一流Y大学卒業。長身の大人びた声の男性だ。サブ担当。

「補欠に前村まえむら 帆樽ほたる、24歳がいます。一流K大学を卒業しています。かなりの利己的な女性のようです。この三人は共に大学はちがいますが交友関係があり上埜たちのつぎにくる実力者といってまちがいないです」

 波多薪はにやっと微笑んだ。

「この女も参加させる価値があるか。復活戦と称して参加させてみたらどうだ」

 太祖は目を開いた。

「急造のチームワークでは…」

「気にするな。ゲームをかき乱すこともまた一興よ。そういうのがあってバラエティ要素にもなる。さっきの司会者が噛みつくだろうよ」

 波多薪の頭のなかでは視聴者目線の構図を組み立てている。

「わかりました」

「やっぱりゲームは華やかでないとな」

 大笑いしている波多薪はご満悦だった。
 
 

≪つづく≫

 

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