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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理【サンライズ出雲・Life Game】15

   

 二日目が終わり、磐田家にもどる御影はAD太祖から得た情報を精査するため部屋に引き篭もった。

 携帯電話を発信させた。相手は──

 そのあとメールを送るために本文には御影の思考を巡らせたある推理を綴った。
 
 

 カップの秘密、7年前の盗難した犯人、そして犯人の行方、それとカップが賞品として今日になって現われることになった経緯。

 そのすべてを探り答えを得る。

 さらに御影はサンライズ寝台列車で知りえた噂を得るために──

 

 御影は食卓をはさむ向かい側の由真をみつめた。まるで曇天の空のような顔で沈んでいた。

 進行具合はわるくない結果だった。6位にはいるはずだと御影は推理していた。

 68マス目でこの日はストップとなった。10マスのジャンプはその順位をかえる結果となった。

 昼食のときにADの太祖から有力な情報を得た。御影は核心に迫るひつようがあった。早々に夕食は終えて部屋に篭もることにする。

 今宵は冷たいそばだった。出雲そばは有名だ。日本の三大そばの一つにあげられる。真夏の夜にはなんとも涼しい食事だろうか。まさかここの食卓にあがるとはつゆ知らずだった。

 それでも地元人にとっては家庭料理の延長線なのだろう。

 軽くたいらげて調査開始だ。

 部屋にもどってからすぐに電話を掛けようとする御影はふと由真のことが頭をよぎった。

 夕食を食べているときの浮かない顔ときたらない。きっとこの成果に満足していないのだろう。

 まるで“わたしってついてないわ”、といい女っぷりの気取った顔を浮かべる笑顔が削げ落ちたように訴えている。

「由真ちゃんの問題は後ほどで、いまは早急にしらべることがある」

 携帯電話を発信させた。3コールほどで相手がでた。

「輪都か、ちょっと頼まれてほしいことがある」

 その瞬間、御影はうわっ、と第一声のあとにつづけて発声した。それは相手のせいで耳にあてていた携帯電話をやや離さずにはいられなかったからだ。

“御影さん!”

 と電話口からうわずった高い声が耳にとびこんできたからだ。

 まるで遠距離の恋人の連絡を待ち望んでいたようなリアクションに御影は戸惑った。

「すまないが、よろしくな…」

 あらかた説明したあとパソコンを開きながら携帯電話の通話を切った。

 パソコンのメールアドレスを選択し宛て先を輪都のパソコンのメールアドレスをいれ本文に内容を入力した。

「これで送信と…、ちゃんとできるかな、あいつ──」

 小柴がサポートしてくれることを望んでもいた。相当なツテがひつようであるからだ。

 輪都一人では無理であるとわかっていても、御影にしてみたら東京の探偵社の状況がわからない。そこで輪都を通じて小柴、贅沢をいえば氷室探偵の耳にとどくよう願っていた。

 小柴だと揉み消すかもしれない。そこで輪都が叫んでもらえたら氷室の耳にとどく。それに期待する。

 

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