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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理【サンライズ出雲・Life Game】22

   

 御影が帰らないまま土曜の朝となった。そこに一人の青年が磐木家に現われた。

 玄関先で訪問者と由真たちは対話をはじめた。

 祖父は和史に骨董店を継承するように話すも断る。そんな時代ではない否定した。すると和史が継承の秘密を語り始めるのだった。

 真の継承者が誰かと──
 
 

 御影の消息を探りにその青年と共に由真は出雲の秘宝の在処へと歩みだす。

 

 土曜日の朝9時が過ぎたころ磐木家に一人の青年が現われた。

「すみません、こちらに氷室探偵社の御影という者はいますか」

 応対したのは母親の多美だった。

「ええ、昨日まではいたんですけど出掛けてからもどってきてないんです」

 青年は呆気にとられていた。

「やっぱり…」ぼそっとつぶやいた。

 行方知れずの御影が帰ってきたのかとおもった若い娘が二人姿をみせた。

 探偵社に依頼した由真と妹の小夢だった。

「探偵さんじゃないね」

 小夢が肩を落としながらいった。

「もうほんとうにどうしたのよ」

 由真の気の抜けたような言葉が漏れた。

「由真さんだね、僕は、いえ自分は氷室探偵社の輪都といいます」

「氷室…、輪都って、探偵さんの助手のひとですよね」

 御影は探偵社の話をすることは禁句ではあったが、輪都のことは愚痴のように話していたのを由真はしっかりと聞いていた。

 そっけなく無関心で御影のサポートをしなければならないのに、気がむかないと応じないどうしようもないやつだと、と少し誇張表現で輪都のことを話し聞かせていた。

「あのひと…」輪都は目を細めて奥歯を噛みしめていた。

「とにかく、御影とは連日メールのやりとりをしていました。ですが先日の夕刻に突然本人からSOSメールが届いたもので急いでこちらにきました。もっとも本日の始発でこちらに来る予定でしたけど…、御影に何がありましたか」

 輪都はメールを受け取ったがその後、何があったか返信するも一方通行となり音信普通となった。スマートフォンにもでなかった。いったいなにが起きたのか、探偵社でも推理がとびかっていた。

 すると氷室が気をまわしすぐに警察へと連絡を入れていた。だが、さすがにそれだけでは確証もなく動けない。しかたなく輪都がそのまま18時17分の品川発の出雲行き新幹線のぞみに間に合いそうだったため深夜に出雲へたどりついた。

 民宿に一泊してからこうして磐木家に訪れた。朝食がうまくて少し出遅れたしまったが、そういうところもまた御影が注意しているポイントでもあった。

「わかりません。ただ…」由真はうつむいて首を振った。

「行き先に心当たりがあるんですね。それは出雲の秘宝と関連があると」

 由真は目を丸くさせた。そしてうなずいた。

「なるほど、いちおう御影からきいてはいますから。その場所に一人でむかって予期せぬ事態に巻きこまれたか、あのひとらしいな。いつものことだけど」

「いつも?」

「ここへ来る途中もサンライズ寝台列車で事件に遭遇したり、これまでいくつも巻きこまれているんですよ。天性のトラブルメーカーです」

 由真は輪都の比喩に笑ってみせた。不安に押し潰されそうなほど疲弊しているのがみてわかる。無理な笑顔を取り繕っている。気持ちに余裕がないときほど無理に笑ったほうがいいと、由真はゲームの解放もあってか気持ちがおちついているのだろう。

 

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