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現代ドラマ

決して許さない 第1回 一家離散

   

若手実業家の朝井和男は妻の雅代、息子の明彦と幸せに暮らしていた。

ところが彼の経営するか朝井商事は支援者の金山孝三の裏切りで、経営難に陥り、平成11年、とうとう自ら命を絶ってしまった。

狙い通り事が運んだ金山は朝井の妻、雅代を妾として囲い、息子の明彦は遠い貧乏寺に追いやることに成功した。

文豪、森鴎外の「山椒大夫」の平成版とは、森鴎外先生に叱られますが、どうぞお読み下さい。

 

 
一家離散
 

平成10年(1998年)2月、日本中が長野オリンピックでのメダルラッシュに沸く中、前年の大手証券会社の経営破綻から続く金融不安に、企業経営者は事業資金の確保に走り回っていた。

そんな中、朝井商事は、社長の朝井和男の堅実路線が効をそうし、小さいながらも確実に利益を上げていた。

ところが、Mr.Childrenの「終わりなき旅」がヒットチャートを駈け上がっていた11月初め、取引先が倒産してしまった。

「社長、手形が落ちません!」
「どこの手形だ?」

経理部長が青ざめた顔で社長室に飛び込んできた時は、それだけだと思っていた。ところが、今度は「申し訳ございません。騙されました。」と営業部長が架空取引に引っ掛かり、大きな穴を開けてしまった。

「しっかりしろ。取引前に十分に確認したのか?」
「あ、いや、すみません。金山さんの紹介だったもので・・」
「誰の紹介だって、ちゃんと確認しなくちゃダメじゃないか。」

浅井はそう叱ったものの、「またか・・」と拳を握りしめていた。

営業部長の言う「金山」とは最大の支援者、金山孝三のこと。その金山が紹介する先々が、次々と取引の一方的な取り消しや入金遅延を発生させていたが、それがついに架空手形を掴まされるとは・・

<何を企んでいるんだ、あんたは・・>

「とにかく、銀行に行って事情を説明するんだ!」

朝井は営業部長を連れて銀行に飛んでいった。
 
 

 

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