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現代ドラマ

決して許さない 第四回 雅代を襲った悲劇

   

 
「やめて、やめて下さい・・」

泣き崩れる雅代に金山は平然と言い放った。

「お前、勘違いしているんじゃないのか。10億の借金を肩代わりしているのは誰だ?こうして暮らしていられるのは誰のお陰だ?慈善事業じゃないんだぞ。」

そして、ビールをグイッと飲み干すと、さらに脅しをかけてきた。

「気に入らないなら、出ていってもいいぞ。残っている借金を全部払ってからな。」
「・・・」
「泣いたってダメだぜ。金がないなら、香港でも、マカオでも、どこにでも売り飛ばしてやる。お前の息子も一緒にな。」

勝ち誇ったような顔して嫌らしく笑う男。悪魔のような男。夫を騙したこんな男に頼ろうとした自分がバカだった。

<もうどうなったっていい・・殺してやる・・>

金山を睨みつけた雅代は髪の乱れも直さず、ふらふらと立ち上がると、箪笥の抽斗から裁ちバサミを取り出した。

「おい、な、何をしているんだ、雅代・・」
「見れば分かるでしょう・・」

頬は赤く腫れ上がっているが、目は金山をじっと見据えて離さない。

ただならぬ気配を感じた金山は、「おい、おい、やめろ、ハサミを捨てろ・・」と腰を上げて、一、二歩後退りしたが、それよりも速く、雅代は「女だと思ってバカにしないでよ!」と、ハサミの刃先を金山に向けて、体ごと懐にぶつかっていった。

「あ、あ、や、やめろ、うぁぁ・・だ、誰かいないのか・・」

金山は短い叫びやうめき声を発しながら、畳の上に倒れ込み、その上に雅代が重なった。

 

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決して許さない 第1話第2話第3話

レビュー

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  1. 丸山 利子 より:

    激しい展開で驚いています、高尾の悪行や、雅代の事件や事故など展開があまりにも早くてこの先どうなるのか全く見当がつきません、そこが作者の狙いなのかもしれませんが。 また次回も読ませてもらいます。

     

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