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現代ドラマ

決して許さない 第四回 雅代を襲った悲劇

   

 
「だけど、昨日に限って、『本堂の掃除は俺がするからいい』って。何だか気持ち悪かった。」
「そうなのよ。高尾さんって、檀家回りの前と後、本堂で何かしているのよ。お布施を隠しているのかしら?」
「そうだったら、ご住職にバレちゃうでしょう。」
「そうか、ご住職よりも京子さんに叱られるわね。」
「怖いからね。」
「聞こえたら、叱られるわよ。」
「内緒だよ。」
「ふふふ、分かってる。それよりも、高尾さん、本当に何をしているのかしら?」
「おばあちゃん、聞いてみたら?」
「嫌よ、あんな人と話すの。」
「ははは、本当に嫌いなんだね。」

二人が笑っていると、聞き覚えのある車のエンジン音が聞こえてきた。窓から外を覗くと、夕暮れの中、古い軽自動車が停まり、ドアを開けて高尾が降りてきた。

「えっ、あ、帰ってきた!」
「あら、本当・・もう4時、そんな時間なのね。」

二階から覗かれているのを知らない高尾はトランクから大きな風呂敷包みを取り出すと、それを抱えて本堂に上がって行った。

「あれよ。あれを本堂のどこかに隠しているのよ・・」
「でも。本堂には隠す場所なんかないけど・・あ、あるか、ご本尊の奥に茶箱が何個かある・・」
「そこよ・・変なことに巻き込まれていなければいいけど・・」

絹代は湯飲み茶わんを片付けながら、心配そうな顔をしていた。

 

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決して許さない 第1話第2話第3話

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  1. 丸山 利子 より:

    激しい展開で驚いています、高尾の悪行や、雅代の事件や事故など展開があまりにも早くてこの先どうなるのか全く見当がつきません、そこが作者の狙いなのかもしれませんが。 また次回も読ませてもらいます。

     

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