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現代ファンタジー

キッズ・レンタル3(全4話)

   

 蒼空が新しいゲームをひとつ欲しがった。玩具店でゲームを選んだ。改は文句を顔にいっさいださないで買ってあげるが疑問が残っていた。

「なんで、ロボットがゲームばかりしてんだ。どういうプログラム組んでんだか…だいたい、おれはゲームをやらない。子どものころは多少やってたけど」

 独り言を近くにいた子どもがきいていた。

「おじさん、ロボット欲しいの?」

「おじさんは、ロボットを飼ってんだ。きみのような子どものロボットを…」

 少し恐怖心を煽ってやろうとして、ニヤリと意味深な笑みをみせつけた。

「へぇ~、すごい。おじさん、博士?」

「いや、ぜんぜんちがうけど」

 子どもはそれがなにかわからず首をかしげてつまらなそうに去っていった。

 改は名響たちのところにもどった。

「買ってきたよ」

 蒼空はうれしそうにそれをさっそくゲームソフトをゲーム本体に挿しこみ遊んだ。

「これで静かになっちまったな」

 改は残念そうに彼女に言った。

「いいのよ。ずいぶんたのしかったし。そろそろ帰る時間じゃない、夕飯を作らなきゃ」

「どっかで食べていこうぜ、めんどうだろ」

「そう。ならお願いしようかしら」

 改は飲食店を探す。探し歩く。だが100近い店舗のどこも混んでいた。

「まったく困ったもんだな、考えることは皆おなじってことか」

 軽く一時間待ちの夕食どきにぶちあたっていた。もう少し判断を早くすべきだった。

 改は蒼空を横目で見る。

「おまえの識別判断とやらでどうにかならなかったのか、家族なら協力しろ」

 子どもは無言だった。改の声をせめて騒音くらいには思ってほしい。

 こうなるとどうにもならない。後手になってしまい食べられても帰りが遅くなってしまう。これなら自宅で弁当でも買って食べたほうがましだといった。

 彼女はそれには応じず、どうせならどこかべつの店を探しながら帰りましょう、と反論した。

 ショッピングモールの飲食店はあきらめて帰宅までにどこか入れそうな店にいくことにした。高速道路を降りたら自宅まで20分で着く。そこで目に入ったのがファミリーレストランだった。

「ここでいいな」

 名響の同意を求めずに車を駐車場に止めた。そそくさと店内へ入ると名響は無表情だったことに気づいた。やっぱりかっ、と判断をするべきではなかったかもしれない。どんなことでもひと言、いや相談というかたちで対話を試みるべきだった。

 無難にとんかつ定食を注文して食べた。こうなるともうなんでもよくて、とりあえず腹ごしらえをすませ手っ取り早く帰宅への道を急かすことに意識をむけるべきだと改は判断した。

 名響はスープパスタを食べていた。蒼空はお子様ランチにさせた。

 こいつの胃袋がどうなっているのか気になるが食えるようだから疑問を流した。

 帰宅していつもの夜をおのおのが過ごす。改は一日をまずまずといった様子で歯を磨き就寝の仕度をしていた。しかし、それは静かに兆候を現す。

 改はしらなかった。名響と蒼空がこの日、ショッピングモールでとんでもないことに遭遇していたことに。
 
 

≪つづく≫

 

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キッズ・レンタル 第1話第2話第3話第4話

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