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現代ファンタジー

マスクエリア 第五覆面特区〜三章 光か影か(12)

   

「さて、揃ったところで、話を始めようか」
 アランは、まるで授業内容を説明する教師のような気軽さで、被拘束者たちに向かって、提案を開始した。
「今さっき、各自に説明したように、諸君らは、本来、決戦のために、ここを退去せねばならない。そして、戦いの結果、シティがどういう状況になっても、まあ、最善は尽くすが、止むを得ないというわけだ。ただ、いきなりそれでは気の毒なのでな、一つ、救済措置を用意した。我々と試合して、勝つことができれば、決戦は別の場所で行うことにする。いい条件だろう? 本当だったら、人数の差で押しつぶしてもいいのだから」
「細かな条件をお教え下さい。試合のルールや、勝った時、負けた時は一体どうなるかを」
 ベリコが、途切れ途切れに声を出した。
 突きつけられる条件の厳しさを予測しているかのように、厳しい表情である。対するアランは、精神的に痛めつける喜びに、きらきらと瞳を光らせ、唇を歪めて語った。
「日時は、二週間後。試合は、合計六試合行う。ルールは、基本は素手で、互いの合意があった時のみ武器所持可ということにしようか。一試合のリングに、何名立たせてもいいが、試合は必ず六試合行う。ただし、出場可能選手は、君達の側は、今我々がこの部屋に集めた人に限定され、私たちの側に、無条件で一勝分のボーナスが付く。まあ、この位は、手を差し伸べた側からすれば当然の主張だろう」
 冗談じゃない、そんなルールがあるか、と、清水は叫びたかった。
 しかし、出来なかった。
 実質的に人質のような状態に置かれた自分たちの立場を悪くしたくないという思いが働いたことは事実だが、それ以上に、アランの肉体から、噴出するような勢いで出ている威圧感に、反抗の意思を根こそぎ奪われてしまったのである。アランは、ますます上機嫌な様子で、話を進めた。

 

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