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ハードボイルド

GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第6話

   

「陸上部での君の立場は、おびやかされることはない。ま、後は君の努力次第ってとこだ。注目を集めたいのなら……それも努力次第だな。じゃあ次の質問だ、拳銃のことだ。どこで入手した?」
 麗子は拳銃など買っていないと誤魔化そうとするが……京一はジャケットのポケットからボイスレコーダーを取り出し、再生ボタンを押した。
 再生されるのは昨日の大男たちの証言。
 その証言の中には、拳銃は麗子から授かったとある。
「誤魔化しは効かないぞ、お嬢さん。拳銃は使わなくても、持っているだけ、買っただけでも犯罪だ。こいつを警察に持っていけばどうなるか……君は頭がよさそうだから、分からないことはないだろう? 素直にちゃんと話せば、警察に行かないと約束しよう」
 これは脅しじゃないが……そう前置きしてから、京一は話す。
 少年法は改正され、未成年でも拳銃を不法に購入したり所持したら、逮捕されて刑事事件となる。
 もし社長令嬢の麗子が逮捕されたとなったら問題になるのは確実だ。
「そうなったら、君のお父さんが経営している会社は潰れるかもしれない。君はお金を失い、好き勝手が出来なくなることは必至。さあ、どうする?」
 今の生活を失いたくない麗子は、素直にどうやって拳銃を買ったのかを話す。
 そして、弾丸などを購入するための携帯電話の番号が書かれたメモを差し出した。
「まったく、通信販売感覚で拳銃を売買しないでくれ……」
 溜息混じりに嘆く京一。
 しかし、USPのような特殊な拳銃を安値で売る者の手掛かりは得られた。
 もう麗子から聞き出すことはないと、京一はサービスエリアに車を入れ、運転席から降りた。
「もう香音にちょっかいを出すなよ。次は容赦しない。忘れるな」
 そう告げて、京一は歩き出す。
 あらかじめサービスエリアの駐車場に停めておいた自分の車に乗り、走り去った。
 最後の言葉を発した京一から、麗子は大きな恐怖を感じた。
 全身を鋭い刃物で貫かれるような恐怖……。後部座席でガタガタと震える彼女の顔は、血の気を失って真っ青だ。
 ちょっかいを出してはいけない相手にちょっかいを出してしまって……そう感じた麗子は、もう香音にちょっかいを出すのはやめると誓ったのであった。

 

≪つづく≫

 

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