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サスペンス

秘密-すれ違う二つの心-最終話

   

「恋人だった優美の恨みを晴らすためにとことん調べあげたんです。創の事も、そしてあなたのことも」

「あの人が……優美さんに乱暴をしたというのは……」

「本当の話です。あいつは優美の、いや、俺たちの一番大事なものを奪ったんです」

「大事なもの?」

「俺たちは大学を出たら結婚することになっていました。結婚するまでは、お互い清い体でいようと誓いあっていたんです。俺たちは本気で愛し合っていた。だから、結婚するときはお互い汚れのない心と体で一緒になろうと、そう決めていたんです。だけどその想いを、あいつは踏みにじったんです」

 俺はさらに話しを続けた。

「あいつに犯された優美はショックを受け、自ら命を絶ちました。遺書には俺に対する詫びの言葉しか書いていませんでした。あいつは、俺のために自分の操を守り続けていたんです。それを無理矢理奪われた。優美にとっては命よりも大事なことだったんです。結局優美は強姦されたことが原因になり自ら命を絶ちました。

 優美は俺にとって全てだったんです。幼い頃に両親を亡くし、兄弟もなく頼れる人も居ない。孤独だった俺にとって、優美は、絶望の淵に立たされた俺を救い出してくれる女神のような、そんな存在でした。そんな優美をあいつは……。俺は優美の亡骸を抱えながら、絶対に復讐を果たすと誓いました」

「創と最初に会ったのは、優美を探して歩いていた森の中です。そこであいつと偶然ぶつかりました。創はとても慌てている様子でした。創と分かれたあと、俺は優美の変わり果てた姿を見つけました。あいつが優美を見殺しにしたんです」

 俺の話を真剣に聞く智美。俺はさらに続けた。

「創とぶつかった拍子に、あいつは学生証を落としました。そこから創の身元を探し出しました。復讐の為にはあいつに近づく必要があったんです。あいつが一番苦痛を受ける方法であいつに復讐を果たす。それが俺の最終的な目的だった。そのために智美さん、あなたを利用することを考えたんです」

 

-サスペンス

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