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現代ファンタジー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(10)

   

 レフェリーの声が響くと、観客が、歓喜の声を上げる。
 カジモト側は、榊原というダークホースで、アラン側の柱、遠野 佳代を倒してのけたのだ。
(佳代様は悔しいでしょうが、無事に済んで何よりです)
 新月は、イライラを隠そうとしないアランとは対照的な表情で、帰ってくる佳代を迎え入れた。

「がはっ! ふうっ、やれやれ。防具付きでなければ死んでいましたよ。かはっ、かはっ!」
 榊原が、ほっとした表情で、清水たちの所に戻ってきた。
 淡々とした喋りに、悲痛な呻きやせき込みが混ざる。
 せき込むたびに、口から血が漏れ出てくる。
「おっ、おい! 榊原、大丈夫なのか!?」
「問題ありません。痛覚はコントロールしていますから。ただ、まあ、蹴りを受け過ぎたことで、肋骨が何本か折れて、内臓も負傷しているようですが、良くあることです」
 清水の心配を全く意に介さずに、笑顔で語る榊原。
 そして、呆気に取られる清水たちを尻目に、榊原は、勝利のコールを受けるため、リング中央に戻ろうとする。
「多分、佳代というあの娘が、彼らの中で一番、このルールに適していただろう。できれば、榊原をもう少し引っ張りたいが、そうもいかんだろうな」
 香西の言葉と分析は、恐ろしいほど冷静だった。
 とても、死にかけているような仲間が、リングに立っているというこの状況に適合しているとは思えない。
 と、清水がハラハラしながらリングを眺めていると、アランサイドから、若い男とアランの二人が出てきた。
 アランたちは、ぽつぽつと、レフェリーに何かを告げている。
 数十秒ほど言葉のやり取りがあった後、突然、レフェリーは声を張り上げた。

 

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