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現代ファンタジー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(13)

   

新月と対峙する黒田の頭に、緑化サハラで経験した思い出が蘇る。目の前の新月は、かつて緑化サハラで向き合った時とはまるで違う、動物的な本能をむき出しにしていた。

新月の猛攻に晒されながらも、「瞬間」を待ち続けた黒田は、ついに、奥義を繰り出していくのだった……

 

 野獣の圧力。緑化サハラで出会った連中と同種だな。
 黒田の肉体は、突っ込んでくる新月のプレッシャーに震えていた。
 鳥肌を止めることも、逃走したいという衝動を抑え込むこともできない。
 だが、構えは作れない。
 本能的な防衛能力をフル稼働させていないと、間合いを見誤ってしまう。
 一撃でも食らえば、大ダメージは免れないだろう。
「おおうっ!」
 唸り声とともに迫ってくる、横殴りのトンファーでの攻撃を、黒田は、ほんの少し身をのけぞってかわす。
 前髪が風圧で焦げたのが分かる。
 更に続く振り上げの一撃を、体を左に捌いて避ける。
 観客が感嘆の声を上げる。余裕で避けているように見えているのだろう。
 しかし、黒田の命は、紙一重で失われるところにあった。もし、間合いを間違えたら、その時点で終わりだ。
(あの時の坊やが……やはりこうなってしまうのか)
 凄まじいほどの速さのラッシュを、ギリギリのところでかわし続ける黒田の脳裏に、緑化サハラでの戦役の記憶が蘇っていた。

 

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