幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

恋愛 / ラブ・ストーリー

王子は背中に花しょって *その壱*

   2010年10月18日  

長い前髪の間から見える、翡翠のようなグリーンアイ…。

そして、同じ色の石を使ったピアス…。

綺麗な鼻筋が気の強さを表すが、

下唇が少し厚くて、甘い雰囲気を醸し出す。

甘い雰囲気には似つかわしくない、首に横書きされたタトゥ…。

〈Misericordia〉?

その横にはもう少し背の高い、黒髪の男が立っている。

その髪の色は濡れたカラスの羽の様だ。

漆黒の髪と漆黒の瞳…。

抜けるように白い肌に、上がり気味の眉。

瞳を閉じると白い肌に黒い睫毛が映える。

凛とした雰囲気だ。

そして、同じ様に首にタトゥ。

〈Caritas〉?

何語かさえ分からない。

新連載です。
作品投票、メッセージ、掲示板への書き込みをお待ちしています。

ごゆっくり、お楽しみ下さい…。

 

目の前の男…。

私と同じ位の歳かな?

肩口まである薄茶の髪が風に吹かれている。

長い前髪の間から見える、翡翠のようなグリーンアイ…。

そして、同じ色の石を使ったピアス…。

綺麗な鼻筋が気の強さを表すが、

下唇が少し厚くて、甘い雰囲気を醸し出す。

女の子みたいに綺麗な顔だが、背が高い。

線の細い体、

佇まいが美しい。

甘い雰囲気には似つかわしくない、首に横書きされたタトゥ…。

〈Misericordia〉?

どういう意味だろう。

その横にはもう少し背の高い、黒髪の男が立っている。

その髪の色は濡れたカラスの羽の様だ。

漆黒の髪と漆黒の瞳…。

抜けるように白い肌に、上がり気味の眉。

瞳を閉じると白い肌に黒い睫毛が映える。

凛とした雰囲気だ。

そして、同じ様に首にタトゥ。

〈Caritas〉?

何語かさえ分からない。

『シバ…、そろそろ行こう。』

黒髪の彼がもう1人に話しかける。

『あぁ。ロキ』

グリーンアイが〈シバ〉、

黒髪が〈ロキ〉。

シバは薄手の黒いコートを、

ロキは同じ形の白いコートを着ている。

少し強めの風が吹き、

彼らが私を見る。

シバが笑った。

ドキッ…

心臓が急にピッチを早める。

何?

シバは流れるような動作で、私に近づいてきた。

『ずっと、見てたでしょ。
何か用?』

ハスキーボイスが耳をくすぐる。

近くで見るシバの瞳はカラーコンタクトではなく、本物の色だと分かる。

きめ細かな肌は赤ちゃんの様だ。

『モ、モデルになりませんか?』

私は今日からモデルのスカウトとして街に出ていた。

『シバ、行こう。』

離れた所から、ロキが呼びかける。

シバは振り向き、

『ちょっと待って。』

と答えた。

再び視線を私に戻したシバは、

『今、時間がないから。
名刺、持ってる?』

と手を差し出す。

しなやかな指だ。

私は美しい手の平に、カードを乗せる。

『〈Automatic!〉…。
聞いたこと無いね。』

優雅にカードを操る仕草に見とれてしまう。

『あ、まだ出来たばかりの会社だから…。

よかったら、連絡先を教えていただけないですか?』

シバはゆっくり頭を振る。

『僕が電話するよ。
これ、あなたの電話番号?』

『はい。 あの、名前だけでも。』

私は携帯のメモ機能を呼び出す。

『シバ、獅子の獅に、羽だよ。

あいつも?』

頷く私にクスッと笑い、

『ロキ、狼の牙。

じゃ、今日中に連絡する。』

そう言うと、獅羽はコートをひるがえし、狼牙の元へと歩き出す。

『あ。』

振り向く獅羽は天使のような顔で、

『名前、なんて読むの?』

と聞いてきた。

『アオネ、遠藤 蒼音です。』

『可愛い名前だね。 じゃぁね、蒼音。』

『お待ちしてます!』

私は頭をさげた。

 

-恋愛 / ラブ・ストーリー

シリーズリンク

レビュー

この作品はいかがでしたか?
あなたの感想を送って、作家を応援しよう!

レビューを書く

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

おすすめ作品

なりあがる! 15 完

先生 第一回 再会

LOTUS 〜Next to Narita 3〜 <後>

渚-nagisa-(20)

Love cannot be compelled 11