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ノンジャンル

風景の見える箱

   

 僕が東京タワーに着いた時点で指定されていた時間を余裕で過ぎている。

 お昼頃と曖昧な指定だけれど、お昼と言われたら殆どの人が正午だと想像するだろう。

 僕もそう思っていた。

 だがここで重大なことを思い出す。

 僕は彼女を知らない、そもそも女性と思っているのは僕の勝手な思いこみだ。

 相手に至っては、僕はブログの中で男であること、三十路間近で体力的に限界だとかボヤいたこともある。

 男で三十路らしき人物でしかも週末家族やカップルの往来が多いこの場所で、男がひとりでいたら僕が窓枠職人だと思ってくれる確率は高い。

 しかし、女性が見知らぬ男、ネットの中だけの付き合いの男に声をかけてくるだろうか。

 そんなことを思いつつ、見えない相手を僕の視線は必死になって探していた。

 

-ノンジャンル

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